EVとタイヤ負荷
EVは重い。主因はバッテリーであり、同サイズでも数百kg増える。
荷重が増えるため、接地面での応力は単純に増える。これに加えて回生ブレーキが入ることで、減速時にもトルクがかかる。
従来は
加速時のみ負荷 → 減速はブレーキ
EVでは
加速・維持・減速すべてでトルクが作用
結果として摩耗は増える。
- 車重増加:約20〜30%
- 摩耗増加:約20%
- 主因:重量+回生ブレーキ
加速性能の高さは主因ではない。通常運転では影響は収束する。
航続距離とタイヤ
EVは動力効率が高い。
内燃機関では多くのエネルギーがエンジン内で失われるが、EVではそれが少ない。
そのため損失の中でタイヤの比率が上がる。
- EV:約80%が路面へ
- ICE:約25%が路面へ
この差により、タイヤの違いが航続距離にそのまま出る。
特徴的なのは摩耗との関係。
- トレッド減少 → 変形損失減少
- 転がり抵抗低下
結果
- 航続距離:約4%向上
新品に戻すと航続距離が落ちたように見えるが、実際は初期状態に戻っただけ。
騒音の変化
EVは静かなので、タイヤの音が目立つ。
主な音源:
- 空洞共鳴音(内部空気の振動)
- パターンノイズ(ブロック配列)
対策は以下。
- フォーム材で共鳴を減衰
- ブロックサイズを分散配置
ただし必要かどうかは走行環境による。すべての車で問題になるわけではない。
タイヤ選択の軸
EV専用タイヤというより、性能配分の違い。
主な軸:
- 低転がり抵抗(航続距離)
- 摩耗寿命
- 静粛性
- 冬性能
同じ車でもタイヤで航続距離は大きく変わる。
ICE車より影響は明確に大きい。
冬条件
車重が重くてもグリップが増えるわけではない。
増えるのは慣性。
結果:
- 制動距離は伸びる傾向
したがって冬タイヤの必要性は変わらない。
補足
- 荷重は空気圧で支える
- EVは空気圧が高め
- 将来的にはタイヤ大型化の方向
サイドウォールを厚くする方向ではない。
剛性を上げると転がり抵抗が増えるため。
出典・参考
EV Society Webinar “Tires and Electric Vehicles”
Michelin North America 技術講演(Russell Shepard)