材料の位置
アクリル変性天然ゴムは、天然ゴムに極性を付与した材料である。
代表的にはPMMAグラフト型で、非極性のNRとは異なる界面特性を持つ。
構造変化によって現れる特徴は次の通り。
・非粘着化
・剛性上昇
・極性付与
この結果、用途は弾性体としてのゴムから、界面制御材料へと移る。
ゴムと樹脂の中間に位置する材料と見る方が近い。
接着と界面用途
最も整理しやすいのは接着分野。
用途は以下。
・溶剤型接着剤
・PSA(粘着テープ)
・医療用テープ
・電気絶縁材料
特徴は粘着力ではなく、異種材料との相互作用にある。
PVCなど極性材料との接着が成立する点が重要。
ここではゴムとしてではなく、界面調整材として機能する。
樹脂改質と複合材
もう一つの用途は樹脂側での使用。
PMMAやその他熱可塑樹脂に添加することで、材料構造が変わる。
・衝撃強度の向上
・分散性の改善
・界面安定化
グラフト構造により相溶性が上がり、ゴム粒子が微細分散する。
結果として破壊挙動が変化する。
この用途では、役割はゴムではなく相溶化剤に近い。
工業材料用途
工業用途では以下の使い方がある。
・高硬度ゴム材料
・耐油用途
・加工性改善
PMMAの導入により耐熱性や耐油性が向上する。
また非粘着性により加工時の安定性が上がる。
天然ゴムの柔らかさや粘着性を抑える方向の改質である。
タイヤ周辺での位置
タイヤ用途は主領域ではないが、完全に無関係ではない。
想定される位置は限定的。
・接着層
ゴムと樹脂、異種材料の界面
・バインダー用途
フィラーや機能材の分散制御
・インナーライナー改質
極性を利用した透過制御
一方で制約も明確に存在する。
・動的特性への影響
・耐疲労性
・コスト
そのため主材としてではなく、局所的な機能材料として扱われる。
整理
用途は大きく四つに分かれる。
・接着
・樹脂改質
・工業材料
・タイヤ周辺用途
共通点は極性導入による界面制御である。
天然ゴムの改良というより、材料間の接続を扱うための構造変換と捉えられる。
出典・参考文献
- Muang Mai Guthrie DYNAPOLY MG 製品情報
- Materials Today Proceedings PMMA modified natural rubber
- ScienceDirect Modified Natural Rubber Studies