ボレガードのリグニン
Borregaardは、木材由来のリグニンを化学材料として展開している。
主製品はリグノスルホネート系で、水溶性の粉体として供給される。
代表的な製品群はBorresperse。
・ナトリウム系(NA)
・カルシウム系(CA)
・アンモニウム系(AM)
いずれも基本機能は共通する。
・分散剤
・バインダー
実際にBorresperse AMは「分散剤またはバインダー用途」と明記されている
また水溶性であり、多くの有機・無機材料と相溶する
この時点で、ゴム主材とは全く異なる役割になる。
タイヤ材料としての入り方
リグニンはゴムの代替ではなく、界面側に入る。
想定される役割は限定される。
・カーボンブラック分散補助
・フィラーの湿潤化
・グリーンタイヤ時のバインダー
リグノスルホネートは分散剤として機能するため、
粉体の分散系に入るのが自然。
特にCBやシリカの分散に対して
・凝集抑制
・分散安定化
という形で作用する可能性がある。
ただし水溶性であるため、
そのままゴム配合に入れると相分離が起こる。
ここが最初の制約になる。
構造的な制約
リグニンの問題は明確。
・極性が高い
・熱可塑性が弱い
・ゴムとの相溶性が低い
Borresperseは水溶性粉体であり、
ゴム中での均一分散は前提になっていない。
実際、製品は
・水溶性
・粉体
・分散剤用途
として設計されている
つまり
「水系で使う材料」
であり、
ゴムの内部相に直接入る設計ではない。
実際の適用領域
現実的な適用は限定される。
・ラテックス系ゴム
・水系プロセス
・前処理工程
例えば
・ラテックスでのフィラー分散
・プレミックス工程
・粉体バインダー
ここでは整合する。
一方で
・乾式混練(バンバリー)
・トレッド配合
では適用が難しい。
カーボンブラックとの関係
構造的には対立ではなく補助関係になる。
・CB
補強材
・リグニン
分散・界面制御
ただし重要なのは
リグニンがCBの代替にはならない点。
補強性能は大きく異なるため、
置き換えではなく周辺機能になる。
整理
ボレガードのリグニンは
・分散剤
・バインダー
として設計されている。
タイヤ用途では
・直接材料ではない
・界面または前処理に入る
という位置になる。
主材料ではなく、
プロセス側に寄った材料である。
出典・参考文献
- Borregaard Borresperse AM 870P PDS
- Borresperse NA 製品仕様Borresperse CA SDS